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部下に慕われる上司が普段からかけている言葉

「あの人が上司でよかった」

そう思い返すとき、浮かぶのは何気ないやり取りだったりします。

忙しい日に声をかけてくれたこと。小さな工夫に気づいてくれたこと。そして、自分に非があったときには、部下にもきちんと謝ってくれたこと。

部下に慕われる上司の言葉には、「あなたのことを大切にしている」という姿勢が表れます。日々の仕事の中で、その姿勢はどんな一言になるのでしょうか。

「今、仕事を抱えすぎてない?」

仕事を頼むとき、部下が今どれくらいの仕事を抱えているかは、気にかけたいところです。

頼まれるたびに「わかりました」と答えていても、余裕があるとは限りません。断りづらくて引き受けている場合もあるでしょう。

そんなとき、上司から「今、仕事を抱えすぎてない?」と声をかける。「何が重なっている?」「優先順位を一緒に整理しようか」と具体的に聞けば、部下も状況を説明しやすくなります。

そして、手いっぱいだとわかったら、期限や分担を見直す。

聞いたあとに必要な調整まで考えてくれる。その対応があるからこそ、部下も次に困ったとき、相談しようと思えるのではないでしょうか。

「教えてくれてありがとう」

ミスやトラブルの報告には、勇気がいるものです。

「怒られるかもしれない」「評価が下がるかもしれない」。そう考えて、報告するタイミングをためらってしまうこともあります。

そこで上司が最初にかける言葉を、少し変えてみる。

「教えてくれてありがとう。まず、今どうなっているか聞かせて」

報告してくれたことを受け止めてから、状況を確かめる。問題への対応や、改善点を伝えることは、そのあとでもできます。

部下が話し始めた瞬間の反応には、「この人にはどこまで話していいのか」を判断する材料が詰まっています。困ったことも伝えてほしいなら、伝えてきたときの受け止め方を大切にしたいものです。

「こちらの確認不足だった。ごめん」

上司にも、思い違いや確認不足はあります。忙しさから言い方がきつくなったり、部下の説明を途中で遮ったりすることもあるでしょう。

そんなときに、自分の言動を振り返り、謝れるか。

「さっきは言い方がきつかった。ごめん」 「話を遮ってしまったね。続きを聞かせて」

部下という立場でも、嫌な思いをすれば傷つきます。上司がそのことを受け止め、自分の非を認める姿勢には、相手への敬意が表れます。

確認不足で部下に手戻りをさせたなら、謝ったうえで「先方への説明はこちらで引き受ける」と、対応まで伝えることもできます。

オハイオ州立大学などの研究者による、架空の状況での謝罪文を評価する実験では、「責任を認めること」と「修復を提案すること」が、特に重要な要素とされました。

何が悪かったかを認め、できる対応を引き受ける。上司から部下への謝罪でも、大切にしたい姿勢です。

「どう思う? 考えを聞かせて」

日々の仕事を担当しているからこそ、部下が気づくこともあります。

「どう思う?」と聞くのなら、自分と違う意見が出てくる余地も残しておきたいものです。

意見を聞いた直後に否定したり、途中で結論をかぶせたりすると、部下は次から発言をためらうかもしれません。

「そう考えた理由も聞かせて」と、まずは最後まで聞く。

採用できないときには、「その心配はわかった。今回は納期を優先して、この方法で進めよう」と理由を説明する。

意見が通らない場面でも、きちんと検討してもらえたことは伝えられます。質問したあとの向き合い方まで含めて、「あなたの考えを聞きたい」という姿勢になります。

「ここは、こちらで調整しておくよ」

仕事を任された部下が、本人の権限では解決できないことで止まってしまうことがあります。

他部署との優先順位の調整や、取引先との納期の交渉。担当者だけでは話を進めにくい場面もあるでしょう。

そこで、「その件はこちらで話しておくから、先にできる部分を進めておいて」と伝える。

上司がどこを引き受けるのかがわかれば、部下も自分の仕事に取りかかれます。

もちろん、引き受けたあとの報告も必要です。「先方と話して、期限は来週まで延ばせたよ」と結果を共有する。そうした対応の積み重ねから、「困ったときには力を貸してくれる」という信頼が生まれます。

「あの対応、助かったよ」

資料の数字を確認する。先方に早めに連絡する。誰かが困らないよう、準備しておく。

目立つ成果の手前にも、仕事を支える小さな行動があります。

「先に納期を確認してくれたから、商談で迷わず説明できた。助かったよ」

何が役に立ったのかまで伝えると、感謝の理由が具体的になります。部下にとっては、自分の働きを見てもらえていたとわかる一言です。

頼んだ仕事であっても、助けてもらったことには感謝を伝える。その一言を、忙しさの中で省かずにいたいものです。

こうした声かけには、その後の行動が伴います。

相談されたら時間を取る。引き受けた調整を進める。謝った言動を改める。口にした言葉を、日々の対応で確かめてもらうことが大切です。

部下に厳しいことを伝えなければならない場面でも、相手への敬意は持ち続けられます。

気にかける。話を聞く。感謝を伝える。そして、自分が間違えたときには謝る。

その積み重ねが、「この上司でよかった」と思える関係につながるのではないでしょうか。

全文完
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