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PHPの穴と、ドルの清算 金融リセットの足場固めが始まっている

10月21日、ネットの裏側がちょっとした騒ぎに。世界のウェブサイトのおよそ7割で使われているプログラミング言語「PHP」に、深刻度「緊急」の欠陥が2件見つかっています。ログインもしていない外部の人間が、離れた場所からサーバーを乗っ取れてしまうかもしれない、という種類の穴です。PHP 5以降のほぼすべてのバージョンが対象になりうるとされ、国内でもさくらインターネットやpixiv、Cygamesなどが緊急メンテナンスや機能停止に入りました。高市総理まで注意を呼びかけて、修正版が出たのは日本時間の21日深夜です。

私たちが毎日あたりまえに使っているネットの土台って、実はかなり古くて、穴だらけだと。PHPが生まれたのは1990年代。その上に何十年も継ぎはぎで積み増しをしてきた。お金の仕組みもまったく同じで、銀行間送金のSWIFTも含めて、いまの金融インフラは前世紀の設計の上に建て増しを重ねてきたものです。

ナガシマ的には、こういう事件が起きるたびに「今の仕組みのままではもう持たない」という空気が少しずつ固まっていく、と見ています。その先にあるのが金融リセットです。

なぜリセットが必要なのか。アメリカの政府債務は今年8月、ついに40兆ドルを超えました。38兆ドルを超えたのが去年の10月、39兆ドルが今年の3月ですから、とんでもないスピードです。利払いだけで年1兆ドルを超えている。これ、もう返すとか返さないとかいう次元の話じゃないわけです。

この後アメリカがやろうとしているのは、ざっくり言うと「借金の清算」と「新体制づくり」だと私は見ています。その前段が関税外交で、狙いは貿易収支を相互にゼロに近づけること。一方的な黒字と赤字は永遠には続かず、いつかどこかで清算を迫られる。その清算の本命が、旧ドルを終わらせて新しいドルを立ち上げる、というシナリオです。

材料はそろってきています。ステーブルコインを制度に組み込んだジーニアス法は、新しいドルがデジタルマネーになるための布石。トランプさんが執務室に肖像画を飾っているジャクソン大統領は、1832年に当時の中央銀行をつぶした人物です。そして建国250周年に合わせて、現職大統領として初めて自分の署名入りの100ドル札を出してきた。160年以上続いた慣例を破ってまで、です。

じゃあ新しいお金は何の上で動くのか。ここでさっきのPHPの話に戻ってきます。穴だらけの古い土台の上に、新しいお金は載せられません。送金は透明性の高いブロックチェーンへ、通信はスターリンクのような衛星網へ、そしてセキュリティは量子技術で固める。実際トランプ政権は今年6月、2028年までに研究用の高性能な量子コンピューターを実現する目標を掲げ、連邦機関の重要システムを2030〜31年までに量子コンピューターでも破られない暗号へ切り替えさせる大統領令を出しています。

つまり今起きているのは、リセット本番の前の「足場固め」だということ。古い足場がどれだけもろいかが、今回のPHPの件でくっきり見えた。ナガシマ的には、新しい足場が組み上がるタイミング、たとえば量子セキュリティがそろう2028年前後が一つの目安だと見ています。もっと先にずれ込む可能性も十分あります。

日本はどうなるか。放っておけば連鎖で財政が苦しくなるシナリオもありえますが、政府と日銀の資産と負債をまとめて見る、いわば裏技が使えれば、円は今の形のまま生き残る可能性もあると見ています。

預金封鎖や財産税を心配する声もよく聞きます。でもそれは、今の金融システムがこのまま続く前提での話。仮に一時的な混乱があっても、戦後と違って工場も人も失われるわけではありませんから、ほどなく新しい仕組みで回り出すはずです。備えるとしても数日から数か月分の生活費くらい。そんなにビビる必要はないと思っています。

PHPの穴をふさぐニュースの向こう側で、お金の土台そのものの入れ替えが静かに進んでいる。そういう目でニュースを見ていくと、面白いですよ。

このあたりの話は、YouTubeメンバーシップでさらに掘り下げています。

YouTube ⇒ 長嶋 修の「新世界の歩き方」〜お金・歴史・意識の未来案内〜

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