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メモ:「舐められない人」になるための5つの技術

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  • 仕事をしていて、「ああ、この人はなんとなく押せば引いてくれる人だ」と相手に学習されてしまう瞬間ってあると思うんですよね。一度そう認知されると、以降ずっと押される側に回り続けることになります。

  • 会議で発言しても流される、雑な依頼が回ってくる、自分の意見が反映されない。逆に、明らかに同じくらいの実力なのに、なぜか周りから一目置かれていて、無茶な要求をされない人もいる。この差はいったい何なのか。

  • 愛嬌や隙はもちろん大事です。完璧に固めすぎると人は寄ってこないし、いい意味でいじってもらえる余白がないと、相手との距離も縮まらない。「あいつちょっと呼んでおきたいな」と思われるためには、ある程度の隙を残しておくことが必要だと思います。

  • ただ、それと同時に「この一線は越えさせない」という金属的な硬さもセットで持っておかないと、舐められる側になるおそれがあります。チャームと矛盾するようですが、一線を越えさせない固さも備えておかないといけない。

ということで、自分が普段意識している「舐められないためにやっていること」を5つ挙げます。

①準備を尽くす

  • 当たり前オブ当たり前ですが、何が来ても打ち返せる、何通りも想定し尽くしてきた、という準備を当日までに完了させておく。事前準備の仕上がりによって、当日あたふたするか堂々とできるかが決まります。

  • 準備ができていれば、質問が来ても「ああ、それですか」と落ち着いて受けられるし、想定外の角度から突っ込まれても「その点については考えていなかったので持ち帰ります」と落ち着いて受け止めることができる。逆に準備が甘いと、説明で言葉に詰まる、どこかで目が泳ぐ、どこかで早口になる。そして相手はそれを敏感に察知します。

  • 準備が活きるのは、当日の挙動が変わるからだけではなくて、後ろ盾としての判断力を持てるからでもあります。例えば次の「非があれば謝る、非がなければ謝らない」は、準備が甘い人には実行が難しい。自分の非の境界がそもそも分かっていないからです。準備を尽くしていれば「ここまでは自分の責任、ここから先は前提条件の問題」と切り分けられるので、押されても譲るべきところと譲ってはいけないところが分かる。

  • 「2回目の反対意見には同じ具体度の代案を求める」も同じで、自分がどれだけの具体度で検討してきたかを把握していないと、相手の指摘の具体度と比較できない。比較できないと、相手の方が具体的に見えて飲むしかなくなる。つまり、準備の総量は、当日の振る舞いだけでなく、その後のあらゆる判断のもとになっています。

②非があれば謝る、非がなければ謝らない

  • シンプルですが、これができる人は少ないと思います。頭を下げた方が物事が早く進む場面って、確かにあります。「すみません、気をつけます」と言って場を収めた方が目的合理的、という状況。これはこれで大事な判断で、僕も普通にやります。

  • ただ、明らかに自分に非がない場面、特に大事な意思決定や、後から先例として参照されるような場面では、簡単に謝らないこと。「申し訳ございません」と言った瞬間、その件は「自分に非があった件」として確定するからです。後から「いや、あれは自分の落ち度ではなく」と巻き戻すコストは、最初に謝らなかった時の気まずさより遥かに高い。

  • 舐められる人の多くは、「その場の気まずさを消したい」という短期的な感情に引っ張られて、本当は譲るべきでないところまで謝ってしまう。そして相手は学習するわけです、「この人は押せば引く人なんだな」と。

  • ポイントは、「その場を収めること」を目的にすり替えないことだと思っています。目の前の気まずさを消すために謝るのではなく、目的合理的に判断して謝る。短期的な感情コスト<長期的な目的合理性。この原理原則を腹に据えておくことが大事なんだと思います。

③2回目の反対意見には、同じ具体度の代案を求める

  • 何かを提案した時に、批判や反対意見が出ることがあります。1回目までは、その指摘をちゃんと踏まえて改善案を持っていく。これは普通にやります。

  • ただ、2回目も同じように反対意見をぶつけてくる人に対しては、「じゃあまた反映して持ってきますね」と簡単に言わない。代わりに、「では、同じくらいの具体度で代案を考えてください」と突き返すようにしています。

  • なぜかというと、批判というのは、構造的に、提案より楽な営みだからです。提案する側はゼロから具体を立ち上げる必要があるけれど、批判する側は出てきた具体に「ここが弱い」と指摘するだけで成立する。しかも知的に見える。この非対称性を放置すると、批判する側が無限に優位に立てる構造のまま戦い続けることになります。

  • もちろん、相手がクライアントで、こちらが受注している側なら話は別です。クライアントが納得していない部分はちゃんと回収して納得感を作っていく。何度でも繰り返す。また、自分のビジネス戦闘力が周りより明らかに劣っているフェーズでは、自分の成果物の品質が悪い可能性が高いので、何度指摘されてもちゃんと改善する方が大事です。

  • ただ、対等な関係性の中で、しかも2回目以降も同じような批判を受けた時。ここで「すみません、また検討して持ってきますね」とその場を収めることに走ると、相手にとって「自分のコントロール配下における人間だ」と思われてしまう。これが、舐められるということです。

  • 表面的には「2回目以降は反対意見を受け付けない」というTipsに見えるかもしれませんが、本質は違います。相手にも同じ覚悟を求めているということです。こっちは覚悟を決めてここまでコミットして持ってきている、だからそっちもそれなりの覚悟とコミットをしてくださいよ、と。それが対等ってことでしょ、軽く優越感を味わうために指摘しているんじゃないぞ、ということを伝えています。

④ゆっくり喋る、語尾を言い切る

  • 同じことを言っていても、早口で語尾を濁す人と、ゆっくりはっきり言い切る人では、受け取られ方が違ってきます。ポイントは二つです。

  • ひとつは、ゆっくり喋ること。早口は「慌てている」「自信がない」「考えがまとまっていない」という信号を勝手に発してしまいます。内容が正しくても、早口だと弱く聞こえる。逆にゆっくり話すだけで、同じ内容でも「この人は落ち着いている」と受け取られる。

  • もうひとつは、語尾を言い切ること。「〜なので」「〜とか」「〜かなと」みたいに語尾を濁さないで、「〜です」「〜だと考えています」「〜まではわかっていますが、ここから先はわかっていません」と最後まで言い切る。

  • 特に重要なのが、わかっている範囲とわかっていない範囲を区切って言い切ることです。「ここまではわかっていますが、ここから先はわかっていません」と言い切れる人は、自分の認識の境界を把握しています。これは信頼につながります。逆に「なんとかでして、まあ、なんとかとかなんとかなので、たぶん」みたいな話し方は、本人の中で境界線が引けていない証拠なので、聞いている側からすると不安になる。

  • わからないことを「わかりません」と言い切るのは、わかっていることを「わかります」と言い切るのと同じくらい大事です。

⑤姿勢、服装、目線を整える

  • 最後は地味だけど大事な話です。背筋を伸ばして胸を張る。服装を整える。髪を整える。挨拶する時に相手の目を見る。書いてみると当たり前すぎて笑えるのですが、できていない人は本当にできていない。

  • これらは内容と独立に、視覚情報として「この人は隙がある」「この人は崩しやすい」という信号を発してしまいます。人は中身を判断する前に、まず視覚情報で印象を決定づけます。中身で勝負したいなら、なおさらここで足を引っ張られる理由はない。

  • 姿勢を伸ばす、服装を整える、目を見る。コストはほぼかからないので、やっておいて損はないと思います。

まとめ

  • 5つ並べてみて改めて思うのは、舐められない技術というのは、攻撃的になることでも、強く出ることでもないということです。むしろその逆で、短期的な気まずさを引き受けて、目的合理的な判断を貫くという静かな構えの話なんですよね。

  • 舐めてくる側の人間は、こちらが「気まずさを避けたい」「場の温度を下げたくない」「申し訳なさを感じたくない」という心理を利用してきます。そこで折れると、その後ずっと折れ続ける関係性が続いてしまいます。

  • 逆に、気まずさを引き受ける覚悟が平常運転になっている人は、別に怒鳴るわけでも強く出るわけでもなく、ただ静かに「それはやりません」「それは私の非ではありません」「同じ具体度で代案をください」と言い切れる。

  • これはチャームや愛嬌と矛盾しません。むしろ両立させるべきものです。普段は柔らかく、隙もあって、いじられる余白も持っている。でも一線を越えてきた時には、静かに、しかしはっきりと押し返せる。この硬軟両方を備えていることが、結果として「舐められない人」の正体なんじゃないかと、最近は思っています。


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