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頭の回転が速い人が、話す前の3秒でやめていること

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MITの研究者が3,428人に算数を解かせて分かった、即答する人と正解する人の差です。

頭の回転の軸は『口を開く前に、最初の答えを1回捨てる』ことです。 会議であれ商談であれ雑談であれ、 ハーバードやMITの学生でも半分以上が、小学生でも解ける問題に最初に浮かんだ答えで即答して間違えていて、 "速く答える人ではなく、速く捨てる人が賢く見える"が鉄則です。 この仕組みを知っておくと、急に話を振られても、話す前の3秒で短く返せます。

その問題は、これだ。

バットとボールで、合わせて1,100円。 バットは、ボールより1,000円高い。 では、ボールはいくら?

ほとんどの人が「100円」と答える。正解は「50円」だ。

間違えたのは、頭が悪い人ではなかった。

最初に浮かんだ答えを、そのまま口に出した人だった。

会議で急に話を振られる。

頭が真っ白になって、とりあえず何か言う。言ったあとで「違う、そうじゃない」と思う。

一方で、同じ質問をされても、落ち着いて短く返す人がいる。

「あの人は、頭の出来が違う」 「自分は、とっさに言葉が出ない」 「考えれば分かるのに、その場では間に合わない」

そう思っているなら、ひとつ誤解がある。

頭の回転が速い人は、答えるのが速いわけではない。

話す前の3秒で、3つのものを捨てている。

この記事では、その3秒を1秒ずつに分けて、何を捨てているのかを研究と一緒に書く。

読み終わったとき、手元に残るのはこの3つだ。

❶ 最初に浮かんだ答えを、1回だけ疑うやり方 ❷ 考える時間を稼ぎながら、相手に好かれる返し方 ❸ 自分がどの1秒で詰まっているか分かる、10問のチェック

気合いの話はしない。3秒の使い方の話だけをする。

本題に入る前に、ひとつだけお知らせを。

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名前はいまのままで入れます。では、本題に入ります。

1. なぜ、ハーバードの学生の半分が間違えたのか

1秒目で捨てるのは、最初に浮かんだ答えだ。

冒頭の算数は、MITの研究者がつくった「3問だけのテスト」の1問目だ。

35回の調査で、3,428人に解かせた。

結果は、どの大学の学生でも同じ形になった。

ハーバード、MIT、プリンストン。そんな大学の学生でも「半分以上」が「100円」と答えた。

ほかの大学では「8割以上」が間違えた。

計算が難しいわけではない。

ボールが100円なら、バットは1,100円。合わせて1,200円になる。

紙に書けば、10秒で気づく。

それでも間違える。

理由は、この問題の答えが「先に浮かぶ」からだ。

1,100円と1,000円が並んでいる。引き算すると100円。

この答えは、考えるより先に頭に出てくる。

しかも、出てきた答えがそれっぽい。だから確かめない。

このテストで正解した人がやっていたのは、特別な計算ではなかった。

浮かんだ100円を、一度だけ疑った。それだけだ。

頭に最初に浮かぶ答えは、いつも速い。

そして、だいたい雑だ。

この問題は、ノーベル経済学賞を取ったダニエル・カーネマンが、著書『ファスト&スロー』で取り上げたことで広く知られるようになった。

カーネマンは、人の頭には2つの考え方があると説明している。

1つは、速くて、勝手に動く考え方。100円がパッと浮かぶのは、こっちだ。

もう1つは、遅くて、意識しないと動かない考え方。100円を疑うのは、こっちだ。

心理学では、前者を「システム1」、後者を「システム2」と呼ぶ。

頭の回転が速い人は、システム1を止めているわけではない。

システム1が出した答えに、システム2で1回だけチェックを入れている。

これは、仕事以外でも毎日起きている。

LINEで「了解です」と返したあとで、相手の質問が2つあったことに気づく。

メールの宛先を確かめずに送って、送ったあとで「全員に返信」だったと気づく。

どれも、最初に浮かんだ動きを、そのまま出した結果だ。

会議でも同じことが起きている。

「これ、いつまでにできる?」

こう聞かれて「明日やります」と即答する。

言った直後に、ほかの仕事を思い出す。夜まで残って、結局間に合わない。

即答した「明日」は、考えた答えではなかった。

最初に浮かんだ答えだった。

頭の回転が速い人は、この「明日」をいったん捨てる。

捨てたあとで、「明日の午前は会議があるから、明日の夕方でいいですか」と返す。

答えるまでにかかった時間は、1秒も変わらない。

変わったのは、最初の答えをそのまま出したかどうかだけだ。

浮かんだ答えに「本当に?」と1回だけ聞く

やることは1つ。

答えが浮かんだら、口に出す前に「本当に?」と1回だけ自分に聞く。

2回も3回も聞かなくていい。1回で十分だ。

1回聞くだけで、100円は50円になる。

「明日」は「明日の夕方」になる。

頭の回転が速い人は、答えを出すのが速いのではない。

最初の答えを捨てるのが、速い。

▶️今日からできること

・今日の会議で、答える前に心の中で「本当に?」と1回だけ言う ・「明日やります」と言いそうになったら、予定を1つ確かめてから言う ・送信ボタンを押す前に、宛先と質問の数を1回だけ見る

答えるのが速い人より、捨てるのが速い人が賢く見える。

2. なぜ、答えるより先に聞き返すのか

2秒目で捨てるのは、自分の話に持っていくことだ。

最初の答えを捨てた。

では、代わりに何を言うのか。

頭の回転が速い人の多くは、ここで答えを言わない。

先に、聞き返す。

「それって、〇〇のことですか?」

これが2秒目だ。

ハーバード・ビジネス・スクールの研究チームが、人と人の会話を調べた。

オンラインのチャットで、初対面の2人に話してもらう。

片方には「たくさん質問して」と頼み、もう片方には「質問は少なめに」と頼んだ。

結果、質問を多くした人のほうが、相手から「好き」と答えられた。

お見合いパーティーの会話でも、同じだった。

質問を多くした人ほど、相手から「また会いたい」と言われていた。

そして、いちばん効いた質問には形があった。

相手の話を受けて、もう一歩深く聞く質問だ。

研究チームは、これを「フォローアップ質問」と呼んでいる。相手が言ったことを拾って、もう一段聞く質問のことだ。

「週末は何してたんですか?」ではない。

「さっき言ってた山登りって、どこに行ったんですか?」のほうだ。

聞き返すと、2つの得がある。

1つ目は、時間が稼げること。

相手が答えている間に、自分の答えを組み立てられる。

黙って考えると気まずい数秒が、会話の一部になる。

2つ目は、ズレが消えること。

「いつまでにできる?」の「いつまで」は、相手にとって本当に明日なのか。来週でいいのか。

聞くまで分からない。

聞かずに答えると、的外れな答えを、自信満々に言うことになる。

頭の回転が速く見える人は、的外れなことを言わない。

言わないのは、頭がいいからではない。先に聞いているからだ。

聞き返せない人が、2秒目で何をしているか。

自分の話に持っていこうとしている。

相手の質問を聞きながら、「自分なら何を言えるか」「どう返せば賢く見えるか」を考えている。

これを捨てる。

返事の頭に「〜ってことですか?」を置く

やることは1つ。

返事の最初に、相手の言葉をそのまま使って聞き返す。

「いつまでにできる?」→「急ぎってことですか?」

「この案、どう思う?」→「気になってるのは、コストのほうですか?」

1回聞き返すだけで、答える前に「相手が本当に聞きたいこと」が手に入る。

▶️今日からできること

・急に振られたら、答えの前に「〜ってことですか?」を1回入れる ・相手の言葉を1つ拾って、そのまま質問に使う ・「週末何してた?」ではなく、相手がさっき言ったことを深く聞く

聞き返すのは、聞いていない証拠ではない。いちばん聞いている証拠だ。

3. なぜ、3つ言いたいのに1つしか言わないのか

3秒目で捨てるのは、言いたいことの残りだ。

最初の答えを捨てた。聞き返した。

相手の聞きたいことも分かった。

ここで多くの人が、最後の失敗をする。

言いたいことを、全部言う。

「理由は3つあって、1つ目は〜、2つ目は〜、それと関係して〜」

話しているうちに、自分でも何を言っているのか分からなくなる。

人の頭に一度に入るのは、4つまで

ミズーリ大学の研究者が、人が一度に頭に置いておける量を、それまでの研究を集めて調べ直した。

答えは「4つ」くらいだった。

心理学では、この頭の中のメモ帳を「ワーキングメモリ」と呼ぶ。

昔は「7つ」と言われていた。

でも、覚え方のコツを使わずに測り直すと、4つ前後まで減った。

これは、聞く側の話でもある。

話し手が3つの理由を言うと、聞き手は1つ目を覚えながら、2つ目を聞き、3つ目で1つ目を忘れる。

結局、相手の頭に残るのは「1つ」だ。

道を聞かれたときを思い出してほしい。

「2つ目の信号を右、コンビニを左、その先の郵便局の角をもう一回右」

全部言い終わったころには、相手は最初の信号をどっちに曲がるかも忘れている。

だったら、最初から1つにすればいい。

頭の回転が速い人は、言いたいことが3つあっても、いちばん大事な1つだけを言う。

残りの2つは、捨てる。

もったいない、と思うかもしれない。

でも、相手が「ほかには?」と聞いてきたら、そのとき出せばいい。

聞かれてから出す2つ目は、ちゃんと届く。

聞かれる前に出す2つ目は、1つ目を消すだけだ。

「いちばん言いたいのは」で始める

やることは1つ。

話し始めを「いちばん言いたいのは」にする。

この一言を言った瞬間、頭が勝手に1つを選ぶ。

「いちばん言いたいのは、明日の夕方なら間に合う、ということです」

これで終わっていい。

▶️今日からできること

・話す前に、言いたいことを3つ思い浮かべて、2つ捨てる ・話し始めを「いちばん言いたいのは」にする ・残りの2つは、「ほかには?」と聞かれるまで出さない

言いたいことが3つあるときほど、1つしか言わない。

4. 会話は0.2秒で返すのに、3秒も待てるのか

ここで、当然の疑問が出てくる。

会議で3秒も黙っていたら、気まずい。そんな時間はない。

その通りだ。

オランダのマックス・プランク心理言語学研究所が、世界の「10の言語」で、会話の返事までの間を測った。

日本語、英語、デンマーク語から、アフリカやアジア、太平洋の島の言語まで。

どの言語でも、相手が話し終えてから返事が始まるまでの間は、0.5秒もなかった。いちばん多かったのは「0.2秒」前後だ。

中でも、日本語はいちばん短かった。平均で「0.007秒」。ほぼ、間がない。

3秒どころか、1秒も待っていない。

言語学では、この話し手の入れ替わりを「ターンテイキング」と呼ぶ。人間は、この入れ替わりを驚くほど速くこなしている。

でも、言葉を1つ出すだけで0.6秒かかる

一方で、同じ研究所の別の研究がある。

人が何かを見て、その名前を1つ口に出すまでには、約「0.6秒」かかる。

単語を1つ出すだけで、0.6秒。

それなのに、会話の返事は0.2秒で始まっている。

計算が合わない。

答えは1つしかない。

人は、相手が話し終わるのを待ってから考えているのではない。

相手が話している途中から、もう返事をつくり始めている。

だから、話す前の3秒とは、黙って待つ3秒ではない。

相手が話している「最後の3秒」のことだ。

頭の回転が速い人は、この3秒で、最初の答えを捨て、聞き返すことを決め、言うことを1つに絞っている。

相手が話し終わったときには、もう準備ができている。

だから、0.2秒で返せる。

ここで、1つだけ気をつけることがある。

相手の話の最初のほうで、答えを決めてしまう人がいる。

「ああ、その話ね」と思った瞬間に、自分の答えを用意し始める。

すると、相手の話の後半が耳に入らない。

最後まで聞いていないので、最初に浮かんだ答えのまま話すことになる。

1秒目で捨てるはずだったものを、捨てそびれる。

3秒は、最後の3秒だ。最初の3秒ではない。

▶️今日からできること

・相手が話している間は、答えを決めない ・相手が話し終わる直前の3秒で、言うことを1つに絞る ・「ああ、その話ね」と思ったら、そこからもう一度最後まで聞く

3秒は、黙る時間ではない。相手の最後の3秒を聞き切る時間だ。

「頭の回転が遅く見える人」に共通する5つのパターン

① 最初に浮かんだ答えを、確かめずに口に出す ② 聞き返すのを恥ずかしがって、的外れな答えを言う ③ 相手の話の途中で、自分の話を考え始める ④ 理由を3つ並べて、相手に1つも残らない ⑤ 黙るのが怖くて、とりあえず何か言う

1つでも心あたりがあれば、そこが今の詰まりだ。

自分はどの1秒で詰まっているか|10問のチェック

当てはまるものを数えてほしい。

□ 聞かれたら、2秒以内に何か言わないと不安になる □ 「明日やります」と言ったあとで、予定を確かめることがある □ 言ったあとで「違う、そうじゃない」と思うことがよくある □ 聞き返すのは、話を聞いていなかったみたいで恥ずかしい □ 相手の話の途中で、返す言葉を考え始めている □ 質問されると、正解を言わなきゃと思う □ 理由を3つ以上並べて説明しがちだ □ 話し終わってから「何が言いたかったんだっけ」となる □ 会議のあとで「ああ言えばよかった」と思い返す □ 言い返されると、すぐに言い返したくなる

上の3つが多い人は1秒目、真ん中の3つが多い人は2秒目、下の4つが多い人は3秒目で詰まっている。

全部に当てはまっても、頭の出来の問題ではない。捨てる順番を知らなかっただけだ。3個以下でも、1つあれば、そこから始めればいい。

まとめ:捨てる順番を知ると、頭の回転は速くなる

・ハーバードやMITの学生でも半分以上が、最初に浮かんだ答えで間違えた ・質問を多くした人、とくに深く聞き返した人ほど、相手に好かれた ・人が一度に頭に置けるのは4つ前後。言いたいことは1つに絞る ・会話の返事は0.5秒以内。準備は、相手が話している最後の3秒でしている ・頭の回転の速さは、才能ではなく捨てる順番で決まる

明日からできること

・会議で振られたら、「本当に?」と1回聞いてから答える ・返事の頭に「〜ってことですか?」を1回入れる

1ヶ月以内にやること

・話し始めを「いちばん言いたいのは」にそろえる ・相手の話を最後まで聞いてから、言うことを決める

長期で変わること

・急に話を振られても、焦らずに1つだけ返せるようになる ・短く、はっきり話すのが当たり前になる

5. 頭の回転は、速さではなかった

最後に、3秒で捨てたものを並べる。

1秒目は、最初に浮かんだ答え。 2秒目は、自分の話に持っていくこと。 3秒目は、言いたいことの残り。

どれも、足したものではない。捨てたものだ。

頭の回転が速い人は、たくさん考えて、速く答えているように見える。

でも実際は、考えたものの中から、いらないものを速く捨てている。

残ったものが少ないから、短く、はっきり言える。

捨てた代わりに、残った習慣は3つだけだ。

「本当に?」と1回だけ聞く。 「〜ってことですか?」と聞き返す。 「いちばん言いたいのは」で始める。

頭の回転の速さは、生まれつきの才能ではない。

捨てる順番を知っているかどうかの差だ。

冒頭の算数を、もう一度思い出してほしい。

バットとボールで、合わせて1,100円。

100円と言いそうになったとき、「本当に?」と1回だけ聞けた人が、50円にたどり着いた。

明日の会議で振られたら、まず1回だけ疑う。1回だけ聞き返す。1つだけ言う。

3秒で足りる。

最後に|次の一歩も、一緒に考えよう

副業を始めるときも、同じことが起きます。

最初に浮かぶのは「すぐ稼げそうなもの」です。広告で見た方法や、誰かが「月10万いけた」と言っていたもの。

そこで「本当に?」と1回だけ疑い、「自分の本業の時間で回せるか」と聞き返し、始めることを1つに絞る。副業が続く人は、この3秒を最初にやっています。

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速く答えなくていい。1回だけ疑えば、それで大丈夫です🦊

参照元

・MIT(Journal of Economic Perspectives, 2005/3,428人に解かせた3問のテスト) ・ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』(2011) ・ハーバード・ビジネス・スクール(Journal of Personality and Social Psychology, 2017/質問の数と好かれやすさ) ・ミズーリ大学(Behavioral and Brain Sciences, 2001/人が一度に頭に置いておける量) ・マックス・プランク心理言語学研究所(PNAS, 2009/10の言語の会話の間) ・マックス・プランク心理言語学研究所(Cognition, 2004/単語を1つ出すまでの時間)

※ この記事の数字は、いずれも集団の傾向を示すものだ。

全文完
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