若いうちにしかできない金の減らし方
20代の頃は金の貯金より経験の貯金を優先すべきだと思っています。 若いうちから資産形成を始めれば運用期間を長く取れるので複利では有利ですが、毎月十万円を残すこととその十万円を使える「今」という時間を比べたらその価値は比較にすらなりません。
経験の貯金が金の貯金と違うのは使っても残高がゼロにならないことです。十万円の旅行は口座から見れば十万円の減少ですが、そこで知ったことによって次に選ぶ仕事が変わればその十万円は何年も先まで残ります。本を買ったり、勉強したり、人と会ったりすることも同じで、経験そのものが直接金を生まなくてもその後の選択を変えるなら使った金はそこで終わりではありません。
貯金している金だけが未来のための金ではなく、将来もっと稼げる人間になるために今使う金も未来への金です。月十万円を二十年間残した人と、若いうちの十万円を自分の能力や仕事の選択肢を増やすために使った人では、後者のほうが後から入金できる額が大きくなることもあります。二十代で作っておきたいのは貯金額より入金力です。
節約して毎月十万円を残せるようになることにも意味はありますが、毎月使える金を十万円から二十万円と増やせるだけでも大きな違いです。若いうちから金を守ることだけ覚えると、自分の収入を増やすより生活を縮めるほうが得意になります。将来欲しいものが増えたときにも、どうやってもっと稼ぐかではなく、どう我慢するかを考える癖がつきます。
もう一つ、若いうちに金を使ったほうがいいのは、自分が何に金を使えば楽しいのかは使わないとわからないからです。資産形成ばかりしてこの練習を飛ばすと、金はあるのに使い方がわからない人になってしまいます。
一千万円あれば幸せになるわけでも一億円あれば人生が面白くなるわけでもありません。金は使うときにしか何かに変換されないので、どれだけ貯めても自分にとって気持ちのいい使い道を知らなければ数字を持っているだけです。
若いうちに百万円を貯金するより、その百万円を使って自分の稼ぎ方や楽しみ方を知った結果、三十代以降の収入と生活が変わるならそっちのほうが複利になります。金を貯めることが上手くなるより、金を使って自分の人生を大きくする方法を若いうちに覚えておきたいです。
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