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頭をよくする7つの習慣

「頭をよくしたい」というのは年齢や職業に関係なく多くの人が抱えている願いだと思います。ただ、そういう相談の中身をよく読むと、頭をよくする方法として想像されているのがだいたい「資格の勉強」「速読」「脳トレアプリ」あたりで、正直そこじゃないんだよなあと毎回思うんですよね。

僕自身、学生時代の成績はまったくもって平凡でしたし、社会人になってからも「お前は目の前しか見てない」と上司に言われたことがあります。それでも文章で食べていけるようになって、多くの読者の方に「思考」についての記事をお届けできるようになり、そして一定の評価をいただけるようになったのは、才能ではなく習慣と積み上げのおかげだと思っています。

今日はその習慣を7つに絞って書いてみます。

1つ目は「散歩する」です。これはもう何度も書いていますが、外せません。研究では、座っているときより歩いているときのほうが創造的な発想の課題で成績が上がり、しかも歩き終わって座った後もしばらく効果が残ることが示されました。屋内のルームランナーでも効果があったので、景色ではなく歩く行為そのものが頭に作用しているようです。僕は原稿に詰まると迷わず外に出ますが、机で1時間うなって出なかった書き出しが歩き始めて10分で出てくる、なんてことは本当に日常茶飯事です。

2つ目は「ぼーっとする」です。散歩と似ているようで、これは別の習慣として数えたいです。歩くのは体を使いますが、ぼーっとするのは何もしないことですから。風呂に入る、天井を眺める、電車の窓の外をなんとなく見る。スマホを持たずにそういう時間をつくると、読んだ本と昨日の出来事と数年前の失敗が、本人の知らないところで勝手に混ざり合っていきます。「ぼーっとしてる暇があったら勉強しろ」という発想は、僕からすると発酵前のパン生地を焼いてしまうようなものです。

3つ目は「乱読する」です。頭をよくするには材料がいります。ただし読み方は雑でいい。1冊を丁寧に読み切るより、興味の向くままに10冊をつまみ食いしたほうが、僕の経験上は思考の引き出しが増えます。哲学書の隣に将棋の本があって、その隣に育児本があって、という無節操な棚が、後で思いもよらない組み合わせを生んでくれるんですよね。忘れてもいいんです。忘れたつもりのものが、ぼーっとしている時間に顔を出すので。

4つ目は「紙に書き出す」です。頭の中にあるものはそのままだと霧で、書いて外に出したときにはじめて扱える形になります。僕は日記を続けていますが、内容はたいしたことありません。今日あったこと、思ったこと、明日試すこと。この3行を書くだけで、「なんとなく不安」だったものが「締切を前日に設定してないから慌てる」という具体的な不具合に変わります。不安の正体って、書いてみると意外と小さいんです。

5つ目は「よく寝る」です。地味すぎて誰も言いませんが、睡眠不足の頭でどれだけ本を読んでも、ザルに水を注いでいるようなものだと思っています。僕は生後5カ月の息子がいるので今は寝不足気味で、寝不足の日の文章は翌日読み返すと明らかに粗い(比喩が雑になり、同じ語尾が続く)。睡眠を削って勉強する人は、勉強の効果を自分で打ち消しているようなものです。

6つ目は「問いを立てる」です。頭がいい人は答えが早いのではなく、問いが鋭いんですよね。「どうすれば売上が上がるか」ではなく「そもそも誰に売っているのか」。「なぜ夫婦ゲンカが増えたか」ではなく「ケンカはいつも何曜日に起きているか」。問いの角度を変えるだけで、同じ材料からまったく違う答えが出てきます。

そして7つ目、最後が「構造で考える」です。ここまでの6つはすべて、この7つ目のためにあると言ってもいい。散歩し、ぼーっとし、乱読し、書き出し、寝て、問いを立てる。それを繰り返していると、目の前の出来事が単発ではなく「つながり」として見えてくる瞬間があります。

売上が落ちた、ケンカが増えた、部下が辞めた、という出来事だけを見ていると、人は反射的に「もっと頑張る」という答えを出します。

でも出来事の裏側には部品同士のつなぎ目があって、どこか1か所を変えるだけで全体が変わるポイントが必ずある。「10の力で10の成果」ではなく「1の力で100に届く」という感覚が、構造を掴んだときにはじめて手に入ります。

参考記事:【地頭を鍛える】学校ではなかなか教わらない「構造を見抜く力」を強化する方法|内向哲学

全文完
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