マンガの面白さを、ストーリーだと思うなよ
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マンガの面白さをストーリーだと思うなよ、という話をしようと思います。
さっきストーリーの話をしたんですけど、特にAIが出てきて絵が簡単にでき上がるようになると、「マンガ家はストーリーを考えるだけでいい」と思ったりもするかもしれません。
実際、みんなマンガの面白さを「ストーリー」だと思っていることが多いんですよね。
でも、ストーリーじゃないんです。
もちろんストーリーが面白いこともあります。
ただ、みんなが「このマンガ面白い」と思っているとき、その理由がストーリーであることは、あまりないんですよね。
ストーリーとは何かというと、この前も言ったように、点から点をつなぐ道筋や行程のことです。
その行程、つまり構成の部分に「うわ、この流れグッとくるな」と感じている人は、実は意外と少ないんです。
マンガの面白みは3つある
マンガの面白みをどう考えるかというと、3つくらいあります。
作る順序で言うと、企画、構成、演出。
まず、企画が面白いということがありますよね。
どんなキャラが何をするのか。どんな状況に陥って、何をしていくことになるのか。
その状況や関係図そのものが面白い、ということもあるじゃないですか。
次に構成。
最後にどんでん返しがあって、という流れが面白いことも、まあまああるでしょう。
でも構成はほとんど型通りなんです。
そして最後が演出。
マンガの面白さは、ほとんどが演出なんです。
演出とは、それをどう見せていくか、というところですよね。
同じストーリーでも、見せ方で全然変わってきますから。
尾田先生が『桃太郎』を描いたら
たとえば『桃太郎』。
桃から生まれて鬼退治をする話です。この物語自体がめちゃくちゃ面白いかというと、まあ分かりません。
でも、それを『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生が描いたら。『BLEACH』の久保帯人先生が描いたら。『ジョジョ』の荒木飛呂彦先生が描いたら。
全然違うものになりそうじゃないですか。
同じストーリー、同じ構成でも、見栄えがまるで変わって、その先生らしい表現になりそうですよね。
たぶん尾田先生だったら、「桃から生まれて鬼退治だ、ドーン」とやるでしょう。
で、最後に勝ったら「宴だ」とやるんじゃないかな。
なんとなく絵すら見えるじゃないですか。
久保帯人先生が、鬼に向かって卍解するのも見える気がします。
マンガ家は、演出家でもある
つまり、意外とみんなが楽しんでいるのは、そういう先生の見せ方の部分なんです。
マンガ家は、ストーリーを作る原作者であると同時に、演出家という側面も持っています。
読者は実はその演出の部分をかなり楽しんでいて、マンガ家はそれをやらなくちゃいけない。
なのに、意外とそのことが抜け落ちてしまうんですよね。
AIを使うときも同じです。
演出までちゃんと指示しないと、話作りだけで読者が喜んでくれるわけじゃないですから。
皆さん、改めて「そうだったよね」と思い返しておきましょう。演出こそ大事だと、僕は思ってます。
実際、サン=テグジュペリの『星の王子さま』を漫★画太郎先生が描いたマンガが、普通にジャンプ+で読めるんですけど、これがめちゃくちゃ面白い。
もう、漫★画太郎先生の作品にしか見えないですからね。
演出というものがある。
マンガはストーリーだけじゃない。話の流れ、構成だけじゃないんです。
自分は、どういう見せ方ができる人なのか
それを踏まえて考えてほしいのは、「自分はどういうストーリーを作るんだっけ?」じゃないんですよね。
「自分はどういう見せ方ができる人なんだっけ?」
その作風、自分自身の作風について、考えたことはありますか?
読むときも、その先生の作風を楽しめていますか?
改めて考えてみてほしいなと思います。
どう思ったでしょうか。ぜひ聞かせてください!
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