『NAZA ナザ』緊急公開にあたって
本作が本年度のヴェネチア映画祭で初めて上映された際、私たちは大変強い衝撃を受けるとともに、その重要性、そして絶対にこの映画を日本で上映しなければならないという使命感を強く感じました。私たちが昨年配給した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の監督チームの一員でもあるユヴァル・アブラハーム、ラヘル・ショールの両監督が3年にわたり自らの身の危険を顧みずに続けた取材を通じ、ガザの空爆に関わるイスラエル兵や軍関係者が明かす攻撃の詳細と、それを可能な限り容易に遂行するために計算され尽くしたシステムは、身の毛もよだつような恐ろしさに満ちており、その勇気ある告発に世界中から賞賛の声が集まると同時に、両監督は反対派からの激しい攻撃にもさらされています。
一方、両監督をはじめとする製作チームは、事態の緊急性から本作を通常の公開スケジュールとは異なる形で一刻も早く世に届けたいと考え、11月からThe Guardian紙の公式サイトを通じた全世界での配信と、それに先駆けた異例のスピードでの劇場公開を模索しました。
日本の配給を任された私たちもその想いを共有し、通常のウィンドウとは異なる、できる限り早い劇場公開を願い、全国の映画館をはじめ各所へ相談をいたしました。そしてその結果、来る10月24日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか趣旨にご賛同いただいた全国の映画館で順次公開できる運びとなりました。ヴェネチア映画祭終了後の9月下旬に配給権を得てから約1カ月後の一般公開は、おそらく日本では過去にあまり例をみない短さであり、そのため、上映・宣伝素材の手配から字幕翻訳、宣伝展開に至るまで、通常の公開のように日本向けに十分な時間をかけて準備することが難しい状況です。本来であれば時間を費やして行うべき様々な確認の時間が短くなってしまうことで生じるリスクもあり、私たち配給会社としても大変悩ましくはありましたが、本作については、それでも公開までのスピードを優先するべきだとの結論に至りました。
製作者自らが「スクリーンで観る価値のある力強い作品」と自負する本作。映画館という特別な空間でのご鑑賞は、より作品に没入し、そこで語られる言葉と現実をより身近なものとして受け止める貴重な体験になると信じております。ぜひ劇場へ足を運んでいただき、今まさに続いているこの現実について、私たち自身に関わる問題として、今一度考えをめぐらせるきっかけにしていただけたらと願っております。
最後に、このような異例の形での上映を実現に向けて進められますことは、趣旨に賛同いただき、急なお願いにも関わらずご調整をいただいた全国の映画館の皆さまのご協力なしにはありえませんでした。また、上映を希望いただきながら、限られた調整期間のためにやむをえず断念された劇場の皆さまにも、心より感謝いたしております。
皆さまのお力添えに、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
2026年10月1日 株式会社トランスフォーマー



