【完全版】MetaのAI「Muse」動画生成の検証まとめ
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前編の記事で、MetaのAI「Muse」に動画を作らせた話を書きました。
最初に試したことは、こちらにまとめています。
https://x.com/noel_ai_lab/status/2113913170264047905
あれから、Museでさらにいろいろな動画を作ってみました。
CM、AI美女、アニメ、モーショングラフィックス、喋る紹介動画です。
この記事で確かめたのは、Museのポン出しで、どれくらいの動画が作れるかです。
ポン出しというのは、プロンプトを入れて、一発で出てきた動画をそのまま使うことです。
最初に、これだけは強く言っておきます。
・ここに載せている動画は、一発目が微妙で何回もやり直して、その中から出てきたマシなものを選んでいる
・それでも、100点の動画は1本もない。どこかが破綻していたり、微妙だったり、指示をあまり聞いていなかったりする。Museは、そういうことが結構多い
・クライアントに納品する動画や、お金をいただく仕事には、まず使えないと思う
・クオリティは、KlingやSeedance、MiniMaxのような動画生成AIとは、全然比べものにならない
プロンプトをものすごく改良して、何回も作り直せば、それなりの動画はできると思います。
でも、破綻をなくすためのプロンプトの調整が、ほかの動画生成AIと比べても難しい。
そのストレスがいやな人は、お金をかけて動画生成AIで作るべきです。
それでも試したのは、Museが無料で使えるからです。
しかも、無料で結構使えます。無料で、ポン出しで、どこまでの動画が作れるのか。それを確かめたくて、作り続けました。
結論は、この3つです。
・アニメも実写も、リファレンス画像は設定したほうがいい。ただし、顔は少し変わる
・喋らせなければ、動画の質感はいい。CMなら、リファレンスなしのポン出しでも一見いい感じのものが出る。ただ、よく見ると完璧ではない
・一番苦手なのは、喋らせること。ナレーションは、後から付けたほうがいい
この記事では、Museの動画が一般的にどう見られているかを整理したうえで、実際に作った動画を見せながら、この3つを順番に書いていきます。
読み終わるころには、Museの動画を何に使えばいいか、何に使わないほうがいいかが分かるはずです。
最初にお伝えしておきます。
この記事で紹介した動画のプロンプトは、全部まとめてオープンチャットで配っています。
オープンチャットには、ここから参加できます。 🔗 https://lin.ee/PTA5tv6
では、本題です。
第1章 なぜMuseで動画を試したのか
1. 動画生成AIは、ふつうお金がかかる
動画を作れるAIは、たくさんあります。
でも、ほとんどは無料では使えません。
1本作るたびにクレジットが減っていく。
月額のプランに入らないと作れない。そういうものがほとんどです。
私がふだん使っているGrokの動画も、Xの有料のサブスクリプションに入っているから使えています。
基本的には、どこかでお金がかかっています。
2. Museは、無料で動画まで作れる
MetaのMuseは、10月23日から日本でも使えるようになったAIエージェントです。基本の機能の多くは無料で使えます。
そのMuseに、チャットで「こんな動画を作って」と頼むと、動画まで作ってくれます。
無料でここまでできるなら、ちょっとした動画や、ここだけ動画を入れたいとき、プロンプトの練習には十分使えるかもしれない。
そう思って、検証を続けました。
3. 前編のおさらい
前編で分かったことを、短くおさらいしておきます。
・1本の動画は約10秒
・長い動画は、10秒の動画をつないで作る(Museに聞いたら、1回の依頼で最大6本、つなげて最長60秒くらいまでと返ってきました)
・文章だけでも、画像からでも作れる。音も一緒に付く
・何本も作っていると、無料の枠はどんどん減る
前編のときは、1日で43本作って、無料プランの週の枠を99%使いました。
ただ、今は招待コードで10億トークンがもらえたりもするので、動画は割と結構作れると思います。
4. 試してみたい人へ
Museを試してみたい人は、ここから始められます。
招待コード:2ZCOUD
登録してから48時間以内に、設定の「紹介コードを利用」にこのコードを入れると、使った人にも私にも、10億Museトークンが入ります。
誰が使ったかは、こちらからは分からないので、お気軽にどうぞ。
登録したら、設定の「データコントロール」にある「AIモデルの改善にご協力ください」は、オフにしておくのがおすすめです。
くわしくは前編に書いています。
第2章 そもそも、Museの動画はどう見られているのか
私の検証に入る前に、Museの動画が一般的にどう見られているのかを整理しておきます。
1. Metaが7月に発表した動画モデル「Muse Video」
Metaは2026年7月7日、画像のモデル「Muse Image」と一緒に、動画のモデル「Muse Video」を発表しました。音も一緒に作れる動画のモデルです。
ただし、発表のときの位置づけは「初期プレビュー」でした。
クリエイター向けとMeta AIで、近く提供する予定とされています。
公式の発表では、得意なこととして、指示への忠実さ、映像のきれいさ、時間がたっても見た目が崩れにくいこと、を挙げています。
一方で、Meta自身が、まだ足りないところとして2つを認めています。
・音と映像のタイミングを合わせること ・速い動きを、物理的に正しく描くこと
1つ目は、私が一番苦手だと感じた「喋らせること」と同じ方向の話です。
2. 評価サイトでの順位
動画のAIを、人の投票で比べる評価サイト(Arena)があります。
発表のとき、Muse Videoはテキストから動画を作る部門で3位でした(7月5日時点、Meta公式の発表より)。
その後、新しい動画のAIが次々に出てきたので、順位は下がっています。
集計サイトがまとめた9月下旬の数字では、9位前後でした。
上には、GoogleのGemini Omni、Seedance 2.0や2.5、MiniMax H3などが並んでいます。すぐ下には、Sora 2 ProやVeo 3.1がいます。
点数そのものは、発表のころからほとんど変わっていません。
トップではないけれど、名前の知られた動画のAIと同じくらいの位置にいる、というのが今の立ち位置です。
3. Museのアプリで作れる動画は、公式にはまだ書かれていない
ここは、知っておいたほうがいいところです。
Museのヘルプでは、Museが作れるものとして、資料や画像、ポッドキャストなどが挙がっています。
でも、動画は出てきません。Museのアプリで作る動画が、Muse Videoで作られているのかどうかも、公式には書かれていません。
1本の長さ、1回で作れる本数、画像から作れるかどうか、動画を作るとトークンをどれくらい使うかも、公式の記載はありません。
なので、この記事に書いている「1本は約10秒」「つないで長くする」といった話は、すべて私が実際に触って確かめた結果です。
公式の仕様ではないので、今後変わる可能性があります。
4. 大手メディアでの扱い
大手のテックメディアでも、Muse Videoの発表は報じられています。
ただ、どれも発表の内容と順位を伝えるもので、実際に動画を作って試したレビューは、私が探した範囲では見つかりませんでした。
Museのアプリで動画まで作れるのに、どこまで作れるのかをまとめた情報は、まだほとんどない状態です。
この記事を書いた理由の1つも、そこにあります。
5. 似た名前の機能に注意
9月のMetaのイベントでは、Museの「音声」と「ビデオ」の新しい機能も発表されました。
ただ、これは動画を作る機能ではありません。話しながら作業を頼める音声モードと、Museのアバターとビデオ通話ができる機能です。
日本での提供は、別途案内するとされています。
6. 料金
Museは基本の機能の多くが無料で、もっと使いたい人向けに有料のプランがあります。
・パワー:月2,799円(毎週5億Museトークン) ・マキシマム:月1万3,990円(毎週30億Museトークン)
動画を作るとトークンをどれくらい使うかは、公式には書かれていません。
第3章 リファレンス画像は、設定したほうがいい。でも、そのままにはならない
1. 設定しないと、思った雰囲気にならない
リファレンス画像というのは、動画の元になる画像のことです。
キャラクターの見た目や、背景の雰囲気を、画像で先に決めておけます。
まず、リファレンス画像を設定せずに、文章だけで頼んでみました。
アニメは、昔の劇場アニメのような、柔らかいテイストに寄っていきます。
自分が作りたい絵柄があっても、Museのほうの好みに引っ張られる感じです。
実写も、あまりいい感じの人になりません。
言葉にするのが難しいのですが、パッと見て惹かれる人にならないんです。
なので、アニメでも実写でも、作りたい見た目があるなら、リファレンス画像は設定したほうがいいです。
2. 設定しても、顔や画風は少し変わる
ただ、リファレンス画像を設定しても、そのままの見た目で動くわけではありません。
顔は少し変わります。これは、実写でもアニメでも同じでした。
どのくらい変わるかは、画風によります。
実写なら変わらないというわけでもなく、実写でも顔はちょっと変わります。
こちらは、左がリファレンス画像、右がMuseで作った動画です。
リファレンスとは、ちょっと違う絵になっています。
でも、リファレンスさえ見せなければ、動画としてはきれいです。
3. アニメの絵が、実写っぽく描き直されたこともある
もっとはっきり変わったのが、夕日の港町の女性の動画です。
アニメのリファレンス画像を渡して、「喋らせなくていいから、30秒ぐらいの動画にして。動きはアクティブに。参照画像は絶対に参照して」と頼みました。
アニメのリファレンスなのに、実写っぽい顔と画風で返ってきました。
Museに聞いてみると、こう返ってきました。
「参照画像(全体と顔のアップの2枚)を毎回渡して、3本別々に生成してつないだ。ただ、顔と画風が実写寄りに変わる問題は、完全には直らなかった。この生成モデルは、アニメ絵を動かすときに半実写っぽく描き直すクセが強い。画風の維持が絶対条件なら、Klingのような、画像から動画を作る専用のツールで最初のフレームを固定するほうが合う」
アニメの絵柄を絶対に守りたいなら、動きを細かく指定するか、動画専用のAIを使うほうが向いています。
4. モーショングラフィックスでも、リファレンスとは変わった
太い輪郭のアニメのキャラクターを、モーショングラフィックスのMVのように動かすのも、3本試しました。
こちらも、リファレンスとは変わりました。
特に3本目は、音も微妙で、動きもめっちゃ悪くはないけれど、めっちゃいいわけでもない、という仕上がりでした。
5. 動画の最初に、リファレンス画像がそのまま映る
もう1つ、気をつけたいことがあります。
リファレンス画像を設定すると、動画の最初に、そのリファレンス画像がそのまま映ってから動き始めます。
そのあとで少し顔が変わるので、つながりが気になることがあります。
気になるなら、最初のコンマ何秒を削ってから使うのがおすすめです。
6. 長い動画は、Museが自分でつないでくれる
1本は約10秒です。でも、30秒の動画がほしいときに、こちらで3本に分けて頼む必要はありません。
「30秒の動画を作って」と頼むだけで、Museが自分で、何秒ずつ何本に分けるかを決めて、つないでくれました。
前の動画の最後のコマから次の動画を作ってくれるので、つなぎ目もほぼ自然です。
第4章 喋らせなければ、質感はいい
1. AI美女も、喋らせなければいける
ここからは、うまくいった話です。
喋らせない動画なら、質感はかなりいいです。
たとえば、ハロウィンの仮装をした女性の自撮り動画。
リファレンス画像を渡して、喋らずに、角を直したり、羽を見せたり、最後に「しーっ」とするだけの動きを頼みました。
ちょっとおかしいところもあるけれど、動画の質は悪くありません。
動画の質は、リファレンス画像次第です。元の画像がよければ、動画もよくなります。
ただ、よく見ると矛盾もあります。
プロンプトでは自撮りと指定したのに、途中から、誰かが撮っているような画面になっていました。
こういうところは、ほかの動画生成AIなら普通にクリアしてくれます。
でもMuseは、指示の聞きが悪いと感じました。
「スマホは画面に映さない」「口は閉じたまま、話しているように動かさない」のように書いておいたことは、守ってくれました。
でも、自撮りという撮り方は、最後まで守りきれませんでした。
2. CMは、リファレンスなしのポン出しでもいける
一番驚いたのが、CMです。
パスタのCMを、リファレンス画像なし、プロンプトだけで作りました。
材料が並ぶところから、パスタをゆでて、トマトソースを煮て、チーズがとろけて、お皿に盛るまでの30秒です。
これ、ポン出しです。
最初に見たときは、ここまでできたら上出来だと思いました。
実は、最初からこの形だったわけではありません。
・食べるシーンを入れた版:食べ方が汚く見えて、声もいらなかった ・お皿が回るだけの版:作る過程がなくて、物足りなかった ・作る過程を見せる版:これが一番よかった
CMは、完成品を見せるより、できあがるまでの流れを見せるほうが、うまくいきました。
3. 炭酸飲料やカフェラテも、同じくいけた
パスタ以外にも、CMを3本作りました。
どれもリファレンスなしです。
カフェラテは、カメラの位置まで指定しました。
グラスの真横からの接写、エスプレッソを低い位置からのマクロ、ミルクは真上から、という書き方です。
カメラの位置まで書くと、そのとおりに組んでくれました。
Museは「カメラ指定まで入れるやり方は覚えたので、次からCMは最初からこの書き方で組む」と言っていました。
炭酸飲料は、10秒ずつ何を見せるかを決めて頼みました。
最初の10秒は開栓、次の10秒は注ぐところ、最後の10秒は商品カットです。
香水は、柑橘から、ミスト、ボトルまでの流れを頼みました。
どれも、一発でここまで出ます。
ただ、商品の細かいところまでは、完全にはそろいません。
Museが自分で確認して、こんな点を挙げてきました。
・炭酸飲料:ラベルが、途中から2枚に分かれて見える
・香水:最後のパートで、ボトルのデザインが変わった(そろえて作り直してもらいました)
・カフェラテ:最後のカットが、指定した角度より少し正面寄りになった
4. 一見よさそう。でも、よく見ると完璧ではない
ここまで読むと、CMはポン出しで十分に見えるかもしれません。
でも、クオリティが高いかと言われたら、そんなことはありません。
正直、パスタも炭酸飲料もカフェラテも、ちょっと微妙です。
よく見ると、矛盾が結構あります。
・パスタ:盛り付けのところで、トングではなくお玉で入れている。頼んでいないのに、よく見たらオリーブが入っている
・炭酸飲料や香水:ボトルの形やラベルが途中で変わっていて、直したくなる
・AI美女:自撮りと指定したのに、途中から誰かが撮っているような画面になる
ここに出している動画は、どれも一見よさそうに見えます。
でも、完璧ではありません。
ポン出しでここまで出るのはすごい。
でも、そのまま商品の動画として使うなら、細かいところを1つずつ確認して、直す前提で考えたほうがいいです。
5. 自分の商品なら、最初の画像を設定する
架空の商品なら、リファレンスなしでも十分です。
でも、自分の商品を使いたいなら、話は別です。
そのときは、商品の写真を最初の画像として設定すれば、いけそうだと思っています。
ただ、第3章で書いたとおり、リファレンスを設定しても見た目は少し変わるので、商品の形やラベルが変わっていないかは確認が必要です。
6. ただ、AIで作った食べ物は、反感を買うこともあった
パスタのCMは、Threadsにも投稿しました。
すると、リプ欄でいくつか批判のコメントをもらいました。
「食べ物をAIで作るのは気持ち悪い」「AIで作られたと思うと嫌」というものです。
動画としてよくできていても、食べ物はAIで作ることに抵抗がある人もいます。
食べ物の動画を出すときは、そういう反応もあると思っておいたほうがよさそうです。
第5章 一番苦手なのは、喋らせること
1. 日本語が崩れる。イントネーションがおかしい
ここまでいい話を書いてきましたが、Museの動画で一番苦手だと感じたのは、喋らせることです。
10秒の短い動画でも、違和感があります。
日本語が崩れるところもあるし、イントネーションもおかしい。
日本語の発音が、外国の人っぽく聞こえることも多いです。
しかも、頼んでいなくても、ほとんど全部の動画に声や環境音が勝手に付きます。
逆に、「喋らない」「声なし」と書かないと、勝手に声を入れてきます。
BGMや背景の音は、ちゃんと入れられます。
試しに、Museを紹介する30秒の縦型リールを作りました。
セリフは全文をこちらで決めて、「このとおりに話して」と頼んでいます。
セリフは、Museに任せても作ってくれます。
私も、ちびフィギュアの会話などは、セリフを全部任せています。
でも、セリフをMuseに任せても、このリールのように全文を自分で決めて渡しても、どうやってもおかしくなりました。
誰がセリフを作るかの問題ではありません。
2. 2人の会話は、もっと難しい
2人に会話をさせると、さらに難しくなります。
ちびフィギュアの男の子と女の子に、会話をさせてみました。
「男の子が話すときは男の子の口だけ、女の子が話すときは女の子の口だけ動かして」とまで頼んでいます。
それでも、喋っていないほうの口も一緒に動いたり、男の子と女の子の声が入れ替わったりしました。
何度も作り直して、やっと形になったのがこの1本です。
それでも、やっぱりイントネーションはおかしいです。
3. 口の動きは、そこまで悪くない
誤解のないように書いておくと、口の動き自体は、そこまで悪くありません。
セリフに合わせて、口はちゃんと動きます。
問題は、声のほうです。ナレーションがおかしいので、口がどれだけ合っていても、聞いた瞬間に違和感が出てしまいます。
Meta自身も、Museの動画のモデルを発表したときに、音と映像のタイミングを合わせることは、まだ弱いところだと挙げていました。
4. 無音で作って、ナレーションは後から付ける
なので、私が一番いいと思っているのは、この作り方です。
・動画は、喋らせずに無音で作る ・ナレーションやセリフは、あとから別で付ける
ナレーションは、Claude Codeを使って後から付けたり、動画編集で入れたりするほうが、クオリティの高いものになります。
もし、口の動きまでセリフに合わせたいなら、そもそもMuseは使わないほうがいいかもしれません。
そこは、動画専用のAIに任せたほうが確実です。
第6章 Museの動画は、何に使えるか
ここまでの話をまとめると、Museの動画の使いどころは、こうなります。
向いていること
・プロンプトの練習(書いて、動かして、どんな動きが出るかを見る) ・ちょっとした動画を、さっと作りたいとき ・ここだけ動画を入れたい、というとき ・喋らないCMや、雰囲気の動画
向いていないこと
・インスタのリールなど、成果物として出す動画で、人に喋らせること ・アニメの絵柄を、リファレンスどおりに絶対に守りたいとき ・細かいところまで正しさが必要な、商品の動画をそのまま使うこと
作り込むなら
・KlingやSeedance、MiniMaxのような動画専用のAI
練習用としてなら、Museはめっちゃありだと思います。
動画生成AIはふつうお金がかかるので、プロンプトを書いて、動かして、どんな動きが出るかを確かめる練習を、気軽にはできません。
Museなら、それが無料でできます。
一方で、Museで喋らせた動画を、そのまま成果物として出すのは、まだ難しいです。うまくない、というのが正直なところです。
お金をいただく仕事には、まず使えない
改めて書いておくと、Museの動画は、クライアントに納品する仕事には、まず使えないと思います。
どの動画にもどこかに破綻があって、それを直すためのプロンプトの調整も難しいからです。
ただ、Museで作った動画に、Claude Codeなどでナレーションやテロップを後から付ければ、インスタのリールくらいなら使えるものになると思います。
こんな人には、Museで十分
・動画が作れるのが楽しい、まずは触ってみたい ・ちょっとした動画を、無料でさっと作りたい(画像がなくても、文章だけで作れます) ・手元にある画像を動かしたい
こういう使い方なら、Museで十分です。
逆に、破綻を1つずつ直していくストレスがいやな人、仕事で使いたい人は、最初からお金をかけて動画生成AIを使ったほうがいいです。
第7章 Museに動画を頼むときの型
プロンプトの全文はオープンチャットで配っていますが、どう書けばいいかの型だけ、ここに置いておきます。
うまくいった動画は、だいたいこの順番で書いていました。
1. 画像から動かすとき
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この画像を最初のコマにして、と書く
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見た目を細かく書いて、変えないでと書く(髪の色、服、小物まで)
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何秒から何秒に何が起きるかを、区切って書く(ショット1、ショット2のように)
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音を決める(声なし、BGMだけ、環境音だけ、など)
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出てほしくないものを並べる(顔が変わる、指が増える、文字が入る、など)
見た目は、細かく書いておくほうが安心です。
動きも、書かずにMuseに任せると、10秒の中で大きなことが何も起きない動画になりがちでした。
前編で、動きをMuseに任せた版がまさにそうでした。
2. CMを作るとき(リファレンスなし)
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何の広告で、何秒くらいかを書く
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流れを矢印でつなぐ(材料 → 調理 → 仕上げ → 完成、のように)
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カメラの位置を書く(真横から接写、真上から、低い位置からマクロ、斜めから、など)
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30秒なら、10秒ずつ何を見せるかを書く
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人物は手元だけ、顔と喋りはなし、文字は入れない、と書く
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音を書く(氷の音、注ぐ音、開栓の音、など)
完成品をただ見せるより、できあがるまでの流れを書いたほうが、見ていて飽きないCMになりました。
3. 長い動画を作るとき
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何秒の動画にしたいかを書く(分け方やつなぎ方は、Museが自分で決めてくれる)
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狙いどおりにしたいなら、10秒ずつ何を見せるかまで書く
炭酸飲料のCMは、最初の10秒・次の10秒・最後の10秒で何を見せるかまで書きました。
書かなくても作ってくれますが、書いたほうが流れは狙いに近づきます。
4. どうしても喋らせるとき
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セリフは、Museに任せても、自分で決めてもいい(どちらにしても、おかしくなるのは同じ)
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話していない間は、口を閉じる、と書く
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話す人は1人にする。2人の会話は避ける
ここまでやっても、イントネーションのおかしさは残ります。
成果物にするなら、第5章で書いたとおり、無音で作ってナレーションを後から付けるほうがいいです。
第8章 こうなったら、こう直す
作っていてぶつかったことと、直し方をまとめておきます。
1. 動画の最初に、リファレンス画像がそのまま映る
最初のコンマ何秒を削ってから使います。
2. 顔や画風が変わる
実写でもアニメでも、顔はちょっと変わります。
どのくらい変わるかは、画風によります。
見た目を細かく書くこと、動きを細かく指定することで、少しは近づけられます。
それでも、顔や絵柄を絶対に守りたいなら、動画専用のAIを使います。
3. 頼んでいないのに、声や環境音が入る
「喋らない」「声なし」と書きます。BGMや環境音だけほしいときは、何の音を入れるかを書きます。
4. 自撮りのはずが、誰かが撮っている画面になる。スマホが映る
「スマホは画面に映さない」「自分で持って撮っている」と、撮り方まで書きます。
スマホの映り込みは、これで直りました。ただ、途中から誰かが撮っているような画面になることは、それでも起きました。
5. つなぎ目が不自然
長い動画は、Museが自分でつないでくれます。それでもつなぎ目が気になるときは、その部分だけ作り直してもらいます。
6. 商品の形やラベルが途中で変わる
「同じボトル・同じラベルのまま」と書いておきます。
それでも変わったら、変わった部分だけを作り直してもらいます。
Museは、自分で気になる点を挙げて、「そこだけ作り直そうか」と聞いてきてくれます。
7. 2人で喋らせると、口や声がおかしくなる
喋っていないほうの口が動く、男女の声が入れ替わる、ということが起きます。
何度か作り直せば形になることもありますが、基本的には避けたほうがいいです。
8. 使う前に、最初と最後のコマを確認する
途中で顔が変わったり、最後が目を閉じて終わっていたり、お玉で盛り付けていたり、頼んでいない具材が入っていたりします。
使う前に、最初と最後のコマ、後半の人物、細かい小道具まで見ておくと安心です。
まとめ
Museで、無料でどこまでの動画が作れるのかを試してきました。
アニメも実写も、リファレンス画像は設定したほうがいい。
ただし、顔は少し変わります。どのくらい変わるかは、画風によります。
喋らせなければ、動画の質感はいいです。
CMなら、リファレンスなしのポン出しでも、一見いい感じのものが出ます。
ただ、よく見ると矛盾が残っていて、完璧ではありません。
一番苦手なのは、喋らせることでした。
日本語が崩れたり、イントネーションがおかしかったりするので、ナレーションは後から付けるほうがいいです。
ここに載せた動画は、どれもポン出しを何回もやり直して、マシなものを選んだものです。
それでも100点の動画はなく、クライアントに納品するような仕事には、まず使えません。
クオリティは、動画生成AIとは全然比べものになりません。
でも、動画が作れるのが楽しい、ちょっとした動画をさっと作りたい、手元の画像を動かしたい、というくらいなら、無料でここまで作れるMuseは、まあいいんじゃないかなというレベルです。
試してみたい人は、招待コードからどうぞ。
招待コード:2ZCOUD
最後に、お知らせです。
この記事で紹介した動画のプロンプトは、全部まとめてオープンチャットで配っています。
CMもAI美女もアニメも、そのままMuseに貼って試せます。
オープンチャットには、ここから参加できます。
参考資料
前編:【実録】MetaのAI「Muse」の使い方と動画生成の全記録 https://x.com/noel_ai_lab/status/2113913170264047905
Meta、パーソナルAIエージェント「Muse」を日本で提供開始(Meta) https://about.fb.com/ja/news/2026/10/muse-personal-ai-agent-launches-in-japan/
Introducing Muse Image and Muse Video(Meta AI) https://ai.meta.com/blog/introducing-muse-image-muse-video-msl/
Museの料金プラン(Meta) https://www.meta.com/help/subscriptions/1021145227643680/
Museのはじめ方(Meta ヘルプ) https://www.meta.com/help/artificial-intelligence/1331373868832401/
The biggest news from Connect 2026(Meta) https://about.fb.com/news/2026/09/the-biggest-news-from-connect-2026/
Meta、Muse Image/Muse Videoを発表(ITmedia AI+) https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2607/08/2000000169/
Museの日本での提供開始(PC Watch) https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2150743.html
Arena テキストから動画の順位の集計(valumigo) https://valumigo.com/en/benchmarks/arena-text-to-video-overall
※本稿は2026年10月26日時点の公開情報と、筆者が実際に使った結果をもとに作成しています。
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