テレビに絵を流しっぱなしにして文化資本の格差を減らすアプリ「えをみる」を作った
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テレビにパブリックドメインの絵を流しっぱなしにするアプリ「えをみる」を作った。起動すると絵が出て2分くらいで次の絵に変わる。一部の絵では描かれたのと同じ時期に作られた音楽も流れる。基本的には何も触らなくていい。
南蛮屏風
とりあえずWeb版はこれ。
https://ewomiru.yamashitataihei.org/
なぜ作ったか
まず自分の事情。
私の家にはテレビが30年くらいない。それで全く問題はなく生活してきた。ところが諸事情があって、テレビを買う必要がでてきた。買ったら使わないと損なので使いたい。しかしなにを観ていいのか分からない。だからテレビを買いたくないが、買わなくてはならない。一体どすればいいのか!! という苦悩の末になにかが表示され音が流れるものを作ることにした。
次に他人の事情。
インターネットでは、定期的に文化資本や教養の格差が話題になる。そういうものを埋めるツールがあれば、面白いなと思った。
赤ちゃんの頃から定期的に「えをみる」を流しておくと、なんとなく絵を見ることになる。そうすると絵に慣れる。大人になって散歩の途中で美術館の前を通りかかり、「おー、この絵なんか面白そうだな。800円なら入ってみるか」みたいな気分になる。
レゴやら人形で遊んでて、ふと後ろを見たら知らん国の絵が表示されてるみたいなのが良いので、なんとなく流しておく。最悪なのは絵の名前を覚えさせるみたいなやつで、余計なことはしない。本当は背景情報があったりすると絵を見るのが面白くなるんだけど、とりあえず見たという経験を作るだけでいいと思う。
私は別に教養や文化資本なんてあってもなくてもいいと思うんだけど、たまたま行く機会があって、面白いものが目の前にあるのに、こういう場所は俺には関係ないってなるのは、あまり良いことではない。こういうのは慣れなんだから流してたら慣れる。絵に慣れてるとスーパーに入るのと同じように、美術館に入れるようになる。
これは文化資本や教養がない人向けというわけではなくて、ある人も試しにやってみたら良いと思う。知らない絵が出たり、音がなったりするので面白いと思う。
最後に思ってること。
一般的にパチンコで遊ぶことと、絵を大量に見ることは相性が悪いと思う……と、ここまで書いて思ったんだが、パチンコと美術って相性良さそうだな。どっちも絵が出てくるし。だからパチンコじゃなくて殴り合いに変更しよう。殴ると絵は破壊されるからな。殴るのと美術は相性が悪い。
人を殴るのが趣味のオッさんが、殴り疲れて家に帰ってきて「えをみる」を使う。そうすると世界の絵画を2500枚くらい見たことがある、人を殴るのが好きな人間が完成する。
こういう人が増えるとどうなるのか、人を殴る部分では分かりあえないけど、絵を見たことでは分かりあえるようになる。殴る人以外でも、持ってる金の量とか経験値の差は関係なく、誰かと面白く話ができるようになるかもしれない。これは文化資本の格差が減って生れたコミュニケーションで、こういうコミュニケーションが、私は良いと思っている。
何が流れるか
メトロポリタン美術館、シカゴ美術館、韓国国立中央博物館、ColBase(国立文化財機構)など10の館が公開している絵から2,556点を選んだ。西洋の油彩だけでなく、浮世絵、屏風、朝鮮の絵、ペルシアやインドの細密画も入っている。選ぶ基準は「ぼんやり眺めて面白いか」だけで、有名かどうか、美術史で重要かどうかは気にしていない。残虐な場面と性的な場面は食事中に流せないので外した。
金弘道の菊の絵。キャプションが出ている
絵が変わると題と作者と年が12秒だけ出て消える。解説はない。
音楽は微妙なところで、本当は同じ時代のパブリックドメインの録音を流したかったのだが、全部は集まらなかった。なのでインターネットラジオから、規約に引っかからないものを集めて流すことにした。無音にできるようにしたので、音楽に詳しい人は自分が好きなものを流したほうが良いと思う。
使い方
対応しているのは Google TV・Android TV・Fire TV。ストアには出していないので「Downloader」というアプリを使って入れる。
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テレビの設定で開発者向けのオプションを出し、Downloader に提供元不明のアプリを入れることを許可する
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Downloader を開き、コード 3392784 を入れて「Go」
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落ちてきたらインストールして起動
細かい手順は https://ewomiru.yamashitataihei.org/about.html にある。テレビが無くても Web 版 https://ewomiru.yamashitataihei.org/ をブラウザで見られる。
リモコンでできること。
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← →:前の絵・次の絵(長押しで早送り)
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決定ボタン:設定を開く
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戻る:終了
設定では絵の流し方を「ぜんぶをみる」(全部を混ぜる。最初はこれ)、「シーンでみる」(江戸の町、修道院といった場ごとに30〜45分ずつ)、「時間軸でみる」(古い順)から選べる。音楽は「シーンに合わせる」「ラジオを流す」(外部のラジオ局14局から)「音なしでみる」の3つ。
アカウント登録も広告もなく、利用状況も集めていない。もちろん無料です。
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