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ロシアから記者が伝える意義 編集局長・山本武史

北海道新聞はロシアに隣接する地域の地元紙として、ロシア国内に複数の拠点を置き、長年取材活動に取り組んできました。本土最北端の宗谷岬から、サハリンは肉眼で見えるほど近い。地に足をつけ、隣国ロシアの現場から情報を伝えていくことは、私たちにとって「地域」を伝えていくことなのです。

北方領土を事実上管轄する極東サハリン州の州都ユジノサハリンスクに、記者を常駐させたのは1992年からです。ロシアのウクライナ侵攻後、日ロ政府間の関係は悪化しましたが、こうした時だからこそ、ロシアに向き合い続けてきた新聞社が、極東地域の状況や変化を伝える必要があると判断し、拠点を維持してきました。

今回、ロシア連邦保安局(FSB)がユジノサハリンスクに駐在していた北海道新聞の男性記者をスパイ容疑で拘束したと発表しました。発表文では、日本の諜報(ちょうほう)機関の指示に基づいて、ロシアの安全保障を脅かす目的で情報を収集していたなどとしています。

北海道新聞は、政府から独立した報道機関です。政府の指示に基づいて取材や情報収集を行うことはありません。

記者はロシアの記者査証(ビザ)を取得して活動しており、報道の自由と取材活動は尊重されるべきです。具体的な拘束理由などが説明されないまま、記者を拘束した際の映像が広く公開されたことも、認めることはできません。

私たちは今、記者の安全確保を最優先に考え、対応しています。外交ルートを通じて事実関係の確認と情報収集を急いでおり、早期の解放に向けて、万全を期して取り組んでいきます。

全文完
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