AI×Blenderのベスプラは「AIの自己流をやめさせる」
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AIに3Dモデリングさせて、「なんか違うんだよな〜…」と感じたことはありませんか。 私も最初は、指示が足りないのだと思っていました。 しかし、半年間試し続けて分かったのは、原因の多くが「AIの自己流」だということです。
これは、BIGが設計したノルウェーの美術館「The Twist」を、AIに作らせたものです。 建物本体はRhino、川や岩、森、素材や光はBlenderでつくりました。
どちらのソフトも、操作はすべてAIがやっています。
私はBlenderを一度も自分で操作したことがなく、コマンドは今もひとつも分かりません。
KOBATAKA(コバタカ)です。
建築設計の仕事をしながら、AIに3Dモデリングをさせる「Vibe Modeling」を試しています。
この記事は、3Dモデリングソフトを触ったことがない人や、AIにモデリングさせてみたけど思い通りにならなかった人に向けて書いています。
Vibe Codingのように雰囲気でモデリングする「Vibe Modeling」について知っていただくだけでなく、より思い通りにVibe Modelingができるようになる、そんなヒントになれば幸いです。
「AIの自己流」とは何か
AIは一般的な知識をたくさん持っています。
でも、「Blenderで建築のガラスを美しく見せる方法」のような個別のテーマに詳しいわけではありません。 それでも、手持ちの知識と推論だけでなんとかしようとしてくれます。
これが「AIの自己流」です。
画像:AIに自己流で作らせない(図)
指示をいくら細かくしても、作り方そのものが自己流のままだと、仕上がりはどこか素人っぽくなります。
なので、私はプロンプトでこう伝えています。
「とにかく自己流はやめて、専門家ならどう考え、どう作業するかを参照しながら、作法どおりに進めてください。」
冒頭の「The Twist」も、いきなり作らせてはいません。 建築作品の写真や外装メーカーの資料をAIに調べさせ、専門家の手法をもとに40もの観点を立てさせて、見直しさせています。 ガラスの表現なら、物理法則、Blenderの設定、建築CGのテクニック…というように、観点を分けて調べさせると、一つの分野だけでは届かないような深い理解度で作業を進められます。
AIに作らせる前に、作り方を調べさせる。それだけで仕上がりは変わります。
Vibe Modelingとは
自然言語で指示して、AIにモデリングさせることを「Vibe Modeling」と呼んでいます。 Vibe Codingで「こんなアプリがほしい」とAIにコードを書かせるように、「こんな3Dモデルをつくって」と頼んで作らせます。
「木製で座面が円形のシンプルなスツールを作って」 「その上にチョコドーナツを置いて」 これだけで、AIがBlenderを操作して形をつくります。
画像:Blender用の自作アドオンでVibe Modelingする作業画面のイメージ
私が狙っているのは、完成品だけを受け取る「ポン出し」ではありません。 「先に入念に調査する」「作業の要件と手順を設計する」「一部作業には積極的にSkillsを使う」というように、作業手順に人間が介入しながら進めています。
Vibe Modelingは、Vibe Codingと同様に、作業プロセスを人間が工夫しながら設計することで品質を改善できる手法です。
Vibe ModelingでAIが作業して完成した3Dモデル(バルセロナ・パビリオン)
名建築バルセロナ・パビリオンなど、実在する建築の再現、大量のモデルを生成する「1000本ノック」、AIに夜通し作業させるループ設計、PLATEAUの都市データの取り込みまで、この半年で試してきました。
Vibe Modelingのコアは3つだけ
普段のチャット画面では、いきなり優れたVibe Modelingはできません。(チャット上の仮想環境で簡易モデルを作ることは可能です)
Vibe Modelingのためには、AIがモデリングツールを操作できる状態にする必要があります。
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AIエージェント:依頼を読み、手順を考えて道具を使う作業役(Codex、Claude Codeなど)
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接続手段(MCP等):AIとツールをつなぎ、道具を呼び出して結果を受け取る仕組み
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モデリングツール:BlenderやRhinoceros等
画像:MCP接続と役割
Vibe Modelingの中核技術は「AIとツールをMCPでつなぐ」ことだけです。
人間の仕事は「ディレクター」
AIがモデリング作業をするなら、人間は何をするのかというと、主に3つです。
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ゴールを決める:何をつくり、どこまで仕上げるか
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ロードマップを描く:ゴールまでの作業手順(ここもAIと相談しながらでいい)を決める
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品質を確かめる:途中で確認するポイントを決め、そこで成果を見て判断する。案の選定、美しさの判断も人間が決める
任せきりにすると、仕上がりは想定したゴールから少しずつずれていきます。 しかもそのずれは、作業時間が長くなるほど大きくなります。
Vibe Modelingでは、制作における人間のディレクション力の価値が上がります。
何でも作れるわけではない
Vibe Modelingが得意なのは、寸法やルールで言い表せる形です。建築はまさにそれに当たります。 逆に、人物や彫刻のような複雑な形は苦手です。
ライオンの胸像は、夜通し作業させても良い出来になりませんでした。 同じ手本の画像をメッシュ生成AIのTripoに入れると、約2分半で手本にかなり近い形が出てきました。
ライオン像の結果比較(Vibe Modeling/Tripo)
言葉で説明しやすいものはVibe Modeling、説明しにくい複雑な形はメッシュ生成、と分けて考えるのがおすすめです。
初めてVibe Modelingをやってみるなら
01. 題材を選ぶ
完成形をよく知っていて、主な寸法が分かり、要素が少ないものを選びます。 建築の人なら定番チュートリアルの建物、そうでなければ家具や小物で十分です。 新しい形と新しい道具に、同時に挑む必要はありません。
02. 最初にAIと共有する4つ
人間向けのチュートリアルを見せても、AIにはあまり役に立ちません。AIはコマンドを一つずつ操作せず、コードを書いてモデリングするからです。
AIに指示すべきは、コマンドの順番ではなく作業の順番です。
最初に次の4つを伝えます。
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何をつくるか、参考にする完成見本はあるか
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今回つくる部分はどこまでか(後回しにする部分はどこか)
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主要な寸法、単位、配置の基準
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最後に成果物をどのように確認するか
03. 最初の依頼
練習なら、こんな依頼から始められます。
「木製のテーブルを作ってください。寸法は一般的な仕様を調べてあなたが推奨してください。そして作る手順を説明してください。」
最後の一文が大事です。いきなり作らせず、手順を説明させてAIの理解を確かめてから実行させます。
04. 画像で直す
できあがったら、直したいところに赤丸を描き込んで、短く伝えます。 机の修正なら「脚をもう少し細く。40mm角に変更」というイメージです。
机の赤書き before/after
一度に修正する箇所は、慣れるまでは1か所に絞りましょう。形・素材・光・カメラを同時に変えると、何が効果的な調整だったか分からなくなるからです。
思うように直らないときは、こう聞いてみてください。
「私の指示をどう理解したか、どこを変更したかを説明してください。」
人間側が伝えたつもりになっていることも、AI側が見落としていることもあります。
05. 環境の準備と保存
Blender+Codex+MCP for Blenderの組み合わせをおすすめしています。Blenderは無料で、Codexは画像生成も使える点が優れています。
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BlenderとCodexを用意する(Claude Codeなど別のエージェントでも可)
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MCP for BlenderのQuickstartに沿って、uvとBlender側のアドオンを準備する
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Codexの設定ファイル(~/.codex/config.toml)に次を追記する。既存の設定は消さない(この追記もCodexに頼めます)
[mcp_servers.blender]
command = "uvx"
args = ["mcp-for-blender"]
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Blenderの3D画面でNキーを押し、「MCP for Blender」タブの「Start MCP Server」を押す。「Running on port 9876」と出れば接続完了
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簡単な指示で何か作らせてみて、修正指示もやってみる
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モデルデータを保存させ、開き直せるか確かめる
画面や設定の細部は変わることがあるので、リンク先の最新の手順も確認してください。
自然言語の指示でモデリングができて、修正指示ができて、データが保存できたら、Vibe Modelingに必要なことは一通り体験できています。
その先でつまずいたこと
ここまでは、始めたばかりの私でもできました。 つまずいたのはその先です。
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夜通し作業させても、思うような品質にならない (高額なサブスクにも関わらずクレジットを溶かす)
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大量に作らせたら、捨て案ばかりが増えた (これまた時間もクレジットも溶ける)
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「もっと建築らしく!」と言っても、AIが何を直せばいいか分からない (指示の解像度が甘い)
この遠回りから分かったことを、noteの「Vibe Modeling大全」にまとめました。 この記事は、その無料部分(第1〜3章)の要点です。有料部分では、私が実際に使っている指示文や作例とあわせて、次のことを書いています。
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思ったように直せない → 要件定義のコツ、自己流をやめさせる指示の方法、赤書きの活用と「理想の絵」の言語化
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品質が安定しない → AI自身にレビューさせる2つの方法
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もっと長時間作業させたい → ラウンド式のループ設計の考え方
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AIに毎回同じ説明をしている → 作業の経験を次に生かす「複利ループ」の設計
[未转换内容,参见原始 JSON]
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。Vibe Modelingは非常に面白いです。こんなにカジュアルにイメージを形にできるなんて本当に楽しい時代だなと感じます。
今まで3Dモデルを使った制作をしたことがない方でも、かなり簡単に楽しく試していただけるのがVibe Modelingの良いところだと考えています。
また、すでに3Dモデリングに慣れていてドメイン知識がある方にとっては強力な武器になると思います。
ぜひ試した結果や、ご不明点・ご質問があればコメントでお知らせください!









