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海外で儲かっているがまだ日本にないビジネス5選

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「日本にないビジネスは、日本では受け入れられないから存在しない」

これは嘘です。

ボストン コンサルティング グループが2023年に公表した「Most Innovative Companies」調査では、イノベーションの成否を分ける最大要因として「アイデアの独自性」ではなく「実行までのスピード」が挙げられています。注目すべきは「実行」という条件です。 発明ではない。移植の速さで決まる。

総務省「情報通信白書」(2023年版)によると、日本のクラウドサービス利用企業は72.2%。インフラは揃っています。一方、経済産業省の2018年「DXレポート」は、対応が遅れた場合に2025年以降で年間最大12兆円の経済損失が生じると警告しました。

土壌はあるがやる人がまだいない。

では、海外で実際に利益を出していて、日本にほぼ存在しないビジネスは何か。そして日本で再現する条件は何なのか。

今回は、米国労働統計局の産業データ、Grand View Researchの市場規模レポート、経済産業省の各種調査など、複数の一次データから「日本に空いている5つの市場」を導き出します。

1. サービス業の「静かな承継市場」 米国では年間2.4兆ドル規模の事業が売りに出る

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まず、最も見落とされている市場から。

小さな会社を買う。そして仕組み化して売る。

米国では「Search Fund(サーチファンド)」と呼ばれる手法が確立しています。個人が投資家から資金を集め、年商1億〜10億円規模の中小企業を1社買収し、自ら経営者として入る形式です。

スタンフォード大学ビジネススクールが2年ごとに公表している「Search Fund Study」(2022年版)によれば、調査対象となったサーチファンドの投資倍率(MOIC)は平均5.2倍、内部収益率(IRR)は35.1%でした。

一般的なベンチャーキャピタルのIRRを上回る水準です。

なぜ利回りが高いのか。理由は単純です。

・買収対象が「地味で確実に儲かっている事業」に限定されている ・売り手が高齢で、後継者不在という明確な売却動機がある ・競合する買い手が少なく、取得価格が抑えられる

日本の状況を見ます。中小企業庁「中小企業白書」(2023年版)では、経営者の高齢化により2025年までに約245万人が70歳を超え、そのうち約127万社が後継者未定と推計されています。

127万社。

これは米国の市場環境よりはるかに極端な数字です。M&Aマッチングプラットフォームは日本にも複数ありますが、買収後に自ら経営者として入り、投資家に配当を返す「サーチファンド型」の担い手は限定的です。

買い手が足りない市場は、売り手にとって不利で、買い手にとって最高の市場になる。

横展開の視点で言えば、既に事業を持つ人ほど有利です。自社の隣接業種を1社買うだけで、仕入れ・人員・顧客リストが一気に手に入ります。

2. 「所有せずに貸す」産業機材のレンタル 世界市場は1,300億ドル超

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建設機械のレンタルは日本にもあります。

では、なぜこの項目を入れるのか。

対象が違うからです。

米国の上場企業United Rentalsは、2023年12月期の売上高が142億ドル(約2兆1,000億円)、調整後EBITDAマージンが47.0%と開示しています。粗利ではなく、EBITDAで47%です。

Grand View Researchのレポート(2023年)は、世界の建設機械レンタル市場を2022年時点で1,300億ドル超と推計し、2030年まで年平均4.6%の成長を見込んでいます。

日本との構造差は、レンタル比率にあります。北米の建設機材はレンタル比率が55%前後とされる一方、日本の建設業界は保有志向が根強く残ります。

ここで重要なのは、対象機材の広がり方です。

・イベント用音響・照明機材 ・医療クリニック向け検査機器 ・映像制作用カメラ・ドローン ・厨房設備一式(ゴーストキッチン向け) ・農業用ドローン・収穫機

米国ではこれらが業種別に専門レンタル事業として成立しています。日本では建機と一部イベント機材に偏っています。

収益構造を分解すると理由が見えます。 1台300万円の機材を月20万円で貸す。稼働率70%で年間168万円。 償却5年で投資回収し、6年目以降は純粋な利益になる。

資産を持つ側が強い商売。

数千万円の初期投資が必要ですが、それが参入障壁そのものです。参入者が少ない理由と、儲かる理由が同じ。

3. 廃棄物から利益を作る「リバース物流」 返品処理市場は米国で7,430億ドル

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捨てるものにお金を払う。これが常識です。

逆に、捨てるものからお金を作る会社が海外では増えています。

全米小売業協会(NRF)が2023年に公表した調査によると、米国の小売returns(返品)総額は7,430億ドル(約110兆円)、小売売上高に占める比率は14.5%でした。

この返品商品を検品・再整備・再販するのが「リバースロジスティクス」と呼ばれる領域です。米国ではLiquidity ServicesやB-Stockといった専門業者が、返品在庫のB2Bオークション市場を形成しています。

B-Stockは自社発表で、年間取扱高が数十億ドル規模に達したとしています。

日本の状況はどうか。

経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(2023年公表)では、2022年の国内BtoC-EC市場は22兆7,449億円。物販系だけで13兆9,997億円です。

EC比率が上がれば、返品も比例して増える。

しかし日本には、返品在庫を大口で買い取り、検品し、B2Bで再流通させる専門プラットフォームがほとんど存在しません。個人向けフリマアプリは発達していますが、事業者間の大量処理の仕組みは空白に近い状態です。

・ECの返品在庫 ・型落ち家電の流通在庫 ・展示品・開封品 ・百貨店の季節在庫

これらは「原価ゼロ近くで仕入れられる商品」です。

誰かの処分コストは、誰かの仕入れ原価になる。

環境省の統計では、日本の一般廃棄物処理事業経費は年間約2兆1,519億円(2021年度)。処分にこれだけの金が動いている以上、その手前を担う事業には確実に需要があります。

4. 業界特化型のバーティカルSaaS 米国では1業種1社が独占する

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「SaaSはもう飽和している」

答えは「No」です。飽和しているのは汎用SaaSだけです。

米国では「Vertical SaaS(バーティカルSaaS)」、つまり特定業界だけに特化した業務ソフトが高い評価を受けています。

代表例を挙げます。

・Toast:飲食店専用POS。2023年12月期売上高37億ドル ・Procore:建設業専用の工程管理。2023年12月期売上高9億5,000万ドル ・Veeva Systems:製薬業界専用CRM。2024年1月期売上高23億6,000万ドル

いずれも「業種を1つに絞った」だけです。

Bessemer Venture Partnersが公表している「State of the Cloud」レポートでは、バーティカルSaaSは顧客の解約率が低く、売上維持率(NRR)が高い傾向が繰り返し指摘されています。理由は業務そのものに組み込まれ、乗り換えコストが極端に高くなるためです。

日本の中小企業のIT導入状況を見ます。中小企業庁「中小企業白書」(2022年版)では、デジタル化の取組段階で「紙や電話での業務が中心」と回答した企業が一定割合残存していることが示されています。

つまり、まだ紙で回っている業界が存在するということ。

・歯科技工所 ・解体工事業 ・冠婚葬祭業 ・水産仲卸 ・産業廃棄物収集運搬

これらの業界に専用のクラウド管理ソフトを提供する日本企業は、あっても1〜2社です。汎用の会計ソフトや工程管理ツールを無理やり使っているのが実情です。

1業界に1社しか入れない。だから入った1社が独占する。

開発費は数千万円規模になりますが、月額3万円×300社で年商1億円。解約率が年5%を切れば、収益はほぼ積み上がり続けます。

5. 「終わり方」を扱う産業 デジタル遺品と生前整理の市場

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最後に、最も日本に必要で、最も空いている領域を挙げます。

死と、その後始末です。

米国では「Digital Estate Planning(デジタル遺産管理)」が専門サービスとして確立しつつあります。故人のクラウドアカウント、サブスク契約、暗号資産、SNSアカウントを法的に整理し、相続人に引き渡す事業です。

背景には規制があります。米国では2014年にUniform Law Commissionが「RUFADAA(改訂版フィデューシャリーによるデジタル資産アクセス統一法)」を策定し、40以上の州が採択しました。法整備が先に進み、市場が生まれた形です。

日本を見ます。

総務省の人口推計(2023年10月1日時点)では、65歳以上人口は3,623万人、高齢化率は29.1%。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040年の年間死亡数は約167万人に達するとされています。

世界で最も高齢化が進んだ国。

にもかかわらず、日本のこの領域は「遺品整理業」と「エンディングノート」で止まっています。デジタル資産に踏み込んだ専門事業者は極めて少数です。

想定される事業領域を並べます。

・故人のサブスク契約の一括解約代行 ・クラウド上の写真・データの相続移管 ・ネット証券・暗号資産の口座特定 ・SNSアカウントの追悼設定・削除 ・生前のデジタル資産棚卸しサービス

日本クレジット協会の統計では、国内のクレジットカード発行枚数は3億枚を超えています。1人が複数のサブスクを契約する時代に、契約者が亡くなった後の処理を誰も体系化していません。

高齢化で困る国は、高齢化ビジネスで最も稼げる国でもある。

ここで生まれた仕組みは、輸出できます。国連の推計では、2050年までに65歳以上人口が世界で16億人に達します。日本が先に解いた問題は、20年後に世界が直面する問題です。

6. 「日本には来ない」と言われるビジネスの見抜き方

ここまで5つ挙げました。

では、あなた自身が新しい空白を見つけるにはどうするか。

判断基準は3つです。

第1:英語圏で3年以上継続しているか 一時的なブームは3年で消えます。3年続いているなら、単価と原価が成立しています。

第2:日本に代替サービスが1社以下か 1社しかないなら市場は未成熟。3社以上あれば、すでに競争が始まっています。

第3:参入していない理由が「規制」か「知られていないだけ」か 規制なら、突破した1社が独占します。知られていないだけなら、スピード勝負になります。

「日本の商習慣では無理」という反論には、データで答えられます。

スターバックスは1996年の日本進出時、「日本人は立ち飲みコーヒー文化に馴染まない」と言われました。2023年時点の国内店舗数は1,900店を超えています。

Uberは日本でライドシェアが規制されたため、Uber Eatsに転換しました。2016年のサービス開始から、全国47都道府県に展開しています。

形を変えれば十分に参入可能ですし、儲かります。

まとめ

海外ビジネスの移植の「正解」は、データが明確に示しています。

・サーチファンド型の事業承継:米国での平均投資倍率5.2倍、日本の後継者未定企業127万社 ・産業機材レンタル:世界市場1,300億ドル超、United RentalsのEBITDAマージン47.0% ・リバースロジスティクス:米国の返品総額7,430億ドル、日本のBtoC物販EC市場13兆9,997億円 ・バーティカルSaaS:Toast売上37億ドル、Veeva23億6,000万ドル、いずれも1業種特化 ・デジタル遺産管理:日本の高齢化率29.1%、2040年の年間死亡数約167万人

やるべきことはシンプルです。

・今日、自分の事業と隣接する海外企業を3社、英語で検索する ・今週、その中の1社の収益モデルを日本の数字に置き換えて計算する ・「これが日本にないのは、規制のせいか、誰も気づいていないだけか?」を自問する

ボストン コンサルティング グループが世界の経営者に聞いて出した結論は、驚くほどシンプルでした。

最後に

具体的な事例のリサーチ手順や、日本で再現する際の初期設計についてはプロフィールリンクに入った方にのみ今後ご紹介していきます。

その時に追加している方でないと受け取れないので、忘れない内に登録しておいてください。

全文完
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